全国の同志達から寄せられたお便りを要約して紹介するコーナーです。
メールなどで寄せられた体験談は、ここで紹介させてもらうことがあります（もちろん匿名性には配慮します）。あらかじめご了承ください。

「初めてメールします。北海道には一般的にいないとされるゴキちゃんに、我が家で一度に９匹くらい遭遇してしまいました。なかばパニックになりつつ、パソコンで同志の情報はないものかと探していたところあなたのページにたどり着きました。」

　引っ越してきて約１カ月。当初よりユニットバスを走る幼虫らしき姿を目撃するが、経験がなかったため見逃していた。
　そしてとうとう台所のガス警報機のあたりでチャバネを大量目撃。ひとまずティッシュで大きいヤツを２匹とらえ、ガスコンロで火あぶりの刑に。他のヤツらは逃げてしまった。免疫がなかったため、その夜は恐怖の一夜だった。
　翌日インターネットで我がGKDの存在を知り、仲間のいる安堵感を覚えた。これから武器をそろえて戦いに突入する。
　ゴキブリ用殺虫剤を買いに行くが、北海道にはゴキブリはいないという前提があるせいで、コックローチＳもバルサンもなかった。やむを得ずコンバットに似た毒エサの「ワイパア」と、食器用洗剤「ジョイ」（界面活性剤ナント43%！！）を買って帰る。
　ワイパアを設置後、問題のガス警報機へ。見れば触角がウヨウヨ。ジョイをたらすと大小取り混ぜて20匹くらいゾロゾロ出てきた。９割方はジョイで窒息死させた。
　翌日、武器をそろえるため北海道最大のホームセンターに電話するが、「北海道にゴキブリはいないから駆除商品は扱ってない」とのつれない返事。いたんだってば！
　自力で武器をそろえるのは不可能と判断。部屋の管理会社に相談して害虫駆除業者に来てもらうことになった。管理会社の人に下見に来てもらうが、そういう時に限って出てこない。
「また出たら連絡してください。今度は徹底的にやります」と言われたが、いないわけないんだからちゃんとやってくれ！
　後日、新たに設置しておいたホイホイにやっぱりかかっていた！さっそく管理会社に連絡するが、金がかかり過ぎるとかなんとか言って結局取り合ってもらえなかった。自力でなんとかするしかない。トホホ。

●TANGO総統のお返事
　戦いたくても武器がないと言うのは一番困りますね。研究のページに応急処置用の武器も掲載しているので、本物が入手できるまでそれを参考に頑張ってください。

「去年、GKDのページを見つけ、「同志だっ!!!」と感激しました。その後、更新されてないようだったので、少し寂しく感じていたところ、たまたま今日開けてみると、『愛と苦悩の戦いの歴史２』があるではないですか!!!さっそく、読ませていただきました。」

　一人暮し歴が長いのですが、ゴキブリとの戦いは当初からの最大の課題でした。以前住んでいたワンルームマンションは密閉性の高さと、４階と言う場所からして、１度も遭遇しませんでした。
　その後１年ほどお世話になっていた田舎の知合いのお宅では、天敵のクモがたくさんいたせいか、ここでも遭遇しませんでした。そのかわり手の平ぐらいのでかいクモがいて、それも恐怖でしたが。田舎の人はクモは益虫だからって殺さないんですね。
　地元に帰り、今度は築３２年と言うとんでもないボロアパートに越しました。案の定、３日目にヤツらと遭遇。さっそくバルサンを焚き、ほう酸団子をしかけ、天井、畳等の隙間をガムテープで塞ぎました。その甲斐あって、４年間住んでいたうち、姿を見たのは最初を含めて２回だけでした。でも一度ばかでかいクモが出ましたが…。
　昨年末今の部屋に越してきて、冬の間は無事だったのですが、先日就寝後に電話で起こされ、しぶしぶ電話に出て、ふと斜め上を見ると壁に黒々としたヤツの姿が！即行でコックローチＳで退治しましたが、恐怖に震えました。
　さっそくバルサンを決行、ゴキジェットプロも購入、来月もう一度バルサンしようと思います。
　私が普段から気をつけていることは、
１．生ゴミはビニール袋に入れ、捨てる時まで冷凍する。
２．夜はなるべく窓を開けない。
３．部屋のゴミ箱はフタをする。
４．流しはとにかくきれいに。
５．隠れ家を減らすために家具は少なくし、不要なものはどんどん捨てる。
６．冬でもできるだけ部屋を暖めない。
　なんでここまで…と思うかも知れませんが、それぐらい嫌いなんです…。

●TANGO総統のお返事
　徹底していますねー。まったく恐れ入ります。それにしても天敵のクモの存在が注目されますね。ぼくが本で読んだところ、たしかにクモは天敵だが、それほど量を食べるわけではないので大きな効果はないとのことでした。でもクモも数がいればまた違うんでしょうね。まあ、一般の家で飼うわけにはいきませんが（苦笑）

「こんにちは。今日、我が城にゴキブリが出ました。２年前にここへ引っ越してきてから、一度も遭遇したことが無かったのに…。」

　築６年ぐらいのきれいな木造アパートの日当たりの良い角部屋。２年前に引っ越してから一度も遭遇経験はないが、先日２階に住む大家さんが、最近何処からか飛んでくるからと言ってホウ酸団子を持ってきてくれた。それをティッシュに包んだまま台所に置いておいた夜、外出先から帰ってくると真横に3cm程の黒いのがいた。見た感じではすでに団子を食べた後らしく、動きがトロかった。うまいこと玄関から外に出てくれたから良かったが、なぜ現れたかは疑問。
　実はこの日天気が良かったので、一日中窓を開け放って部屋の掃除をしていた。窓からの侵入は確かだが、まさかほう酸団子を置いたために誘い込んでしまったのではないだろうか？そう思い団子は処分しましたが、はたして良かったものやら…。

●TANGO総統のお返事
　今まで見なかったと言うことは、部屋で突然発生したとは考えにくいです。やはり最近になってどこかから飛んでくるようになったそいつらが、昼間の掃除中に飛び込んできたんでしょう。無論、ほう酸団子の臭いに誘われて来た確率も否めませんが、普通に食事をしてもそれ以上に臭いは出るわけですから、窓を開けておけば遅かれ早かれ同じような結果にはなったと思われます。
　今後は最低でも網戸は閉めておき、念の為にゴキジェットあたりを装備しておくと、いざと言うときに慌てずにすむでしょう。

「ＧＫＤ拝見しました。今の部屋は比較的出ないのですが、以前のアパートでは大家相手に裁判寸前まで行きかけました。」

　鉄筋のアパートの５階の部屋だったのですが、入居初日から４匹もの成虫が出て、おかしいと思いました。
　私は清潔面ではグレイシー一族と戦って負けないほど部屋をきれいにしてますし、まして食べ物を放置なんてするはずもなく…。ところがヤツらと毎日のようにご対面していたのです。信じられないでしょうが、帰宅して電気をつけると必ず視界にいるのです。
　あらゆる殺虫兵器を駆使しましたが、数は減りません。ホイホイに１週間で１６匹と言う記録を作り、ノイローゼ寸前になって真夜中にバルサンを焚き、寝袋で床に寝たことも…。
　管理会社に苦情を言っても取り合ってもらえず、やむをえず自ら駆除業者に依頼しました。業者によると「年中温かい１階の銭湯と、天井裏が発生源」とのこと。そう、実は１階は銭湯だったのです。
　天井裏に関しては明かに管理会社の落度と言うことで、相談した弁護士さんも「裁判を起こせる」とおっしゃったほどです。結局は入居３カ月で敷金礼金全額返却で解約して引っ越せましたが、なぜ天井裏がヤツらの基地になったのかは謎です。

　なお、その間に学んだことは以下の事です。
１．かつおぶし、キウイ、ビールが好物
　業者の方も言っていました。特にビールの匂いにつられて出てくるので、空き缶は洗って捨てることが大切です。
２．窓を開け放さない。
　特に夏は多いらしいですね。
３．やつらはきれい好き。
　TANGOさんと反対の意見になりますが、ヤツらは体に異物がかかるのを嫌うらしく、例えば殺虫剤のメカニズムも異物を取り除こうと体を舐めることによって毒の成分を体内に取り込むらしいのです。つまり意外なことに体にかかっただけでは死なないようなのです。
４．便器はきれいに
　便器の周囲に飛び散った尿などを舐めに来るらしいのです。
５．前の住人の生活が重要
　現状が、隣りがどうと言うより、以前の入居者がヤツらを育てるような生活をしていればそれが引き継がれるそうです。
　これからもヤツらの絶滅のために頑張りましょう！！

●TANGO総統のお返事
　ずいぶんひどい状況だったんですね。お気持痛いほどわかります。部屋を借りる前の下見の時は当然見なかったんでしょうから、どこかに隠れていたんですね。おそらく天井裏や床下に出入りできる穴でも空いていたのでしょう。
　しかし、ゴキブリに限らず昆虫類は高い場所には出にくいらしいのですが、５階でそれだけ出たと言うことは、何か根本的な原因があったのでしょう。例えば銭湯の換気パイプが壁の中を屋上まで伸びていて、ちょうど天井裏で亀裂があり、そこから湯気にまみれて出入りしていたなんてことも考えられます。その場合カビも大発生してヤツらのエサになりますし。
　ヤツらのきれい好きと、人間の言う清潔とは別物でしょう。昆虫類はえてして触角などをこまめに掃除して、感覚を鈍らせないようにするんです。ハエが手を擦り足を擦るのもそうです。またちょっと違いますが、豚だってあれで一応きれい好きだそうですよ（笑）
　殺虫剤のプロセスは知りませんでした。多分コックローチＳなどはそのタイプなんでしょうね。速効性が売りのゴキジェットなどは、おそらく体表もしくは呼吸気管から直接吸収させて神経を麻痺させるのでしょう。
　何はともあれ、無事に引越しが出来て良かったですね。

「あの黒いヤツに悩み、インターネットをさまよっていてこちらにたどりつきました」

　事情があり、現在広くて立派な友人の家に居候させてもらっていますが、友人が大のゴキブリ嫌いで、もし私のせいでゴキブリが出たら出て行ってもらうというのです。仕事柄部屋が乱雑になってしまいますし、古い荷物もあるので一匹ぐらい連れてきてしまったかも知れないと思うと、気が気ではありませんでした。
　もうおわかりですね？引っ越してから２週間ぐらいした夜に黒い巨大な物が出たのです。即座にかつてより効果を知っていた武器「シーブリーズ」をぶっかけました。これほど強力な武器を知りません。
　これにも大量のアルコールが含まれており、おかげで噴霧してから２秒ぐらいであおむけになり、動きも止まります。後始末も簡単です。
　その後２回も私の部屋でのみ出現しました。幸い友人にバレずにすみましたが、いつか友人に家を追い出されないかと心配です。
　…と、これを書いている間にも5mmほどの幼虫が歩いているじゃないですか！しかも退治しようとティッシュの箱を取ろうと振り向いたらカーペットの上にもう一匹！また壁に一匹！やだもう！！
　やつらは全員兄弟に違いありません。今晩私は眠れるのでしょうか？

●TANGO総統のお返事
　残念ながら部屋に巣食われていますね。ばれないようにこっそりフォグロンなどをしてしまいましょう。めんどくさがって放っておくとすぐに増殖します。部屋の扉をしめ、やつらが部屋の外に逃げ出さないようにしてやりましょう。それで完璧とは言えないと思いますが、まずはやってみることです。健闘を祈ります。

「よく似たつくりのホームページ『ああ、美しきゴキブリの世界』っていうところからやってきました。」

　当時中学二年生だった僕は、虫を怖いと思った事なんて全くありませんでした。それがあの日を境に変わってしまいました。
　放課後、友達３人組（ユウタ、チンタ、僕）で転校生のＭ君の家に遊びに行きました。Ｍ君の家は木造五階建ての古いアパートで、一階にお父さんと二人で住んでいました。Ｍ君のお父さんはまだ仕事から帰っておらず、(まだ、３時か４時くらいだったと思います)、僕たちは部屋で静かにマンガを読んだりしていました。
　やがてＭ君が口を開くなりちょっと不気味な話を始めました。夜寝静まる頃になると、自分の部屋の壁の向こう側から、何かがきしむような音や、カリカリカリカリという何の音だかわからない音が聞こえてくるので、いい機会だからみんなで一緒に調べて欲しい、というような事でした。
　Ｍ君の部屋はそのアパートの角部屋なので、壁の向こうから変な音が聞こえるというのは錯覚で、別な所からの音が反射してるのでは？というような話を僕たちはしました。しかしＭ君が言うには、隣の部屋で寝ているお父さんはそんな音を聞いた事がないらしいです。
　そこでＭ君の部屋をみんなで徹底的に調査する事になりましたが、部屋の中には決定的におかしなところはありませんでした。外を調べに行ったところ、ユウタがアパートの玄関脇の壁に鉄板でできた扉があるのを見つけ、奇妙な音の正体はこの中にあるに違いない、と騒ぎ始めました。

　ユウタは懐中電灯と小さなペンライトを持って来させると、懐中電灯を持って中に入ってしまいました。するとすぐに向こうの世界の入り口から顔を出して一言。
「おまえらもつづけぃ！」気分はすっかり川口浩です。
　僕はいやでしたが、ユウタもチンタもＭ君もはしゃいでいました。ちくしょう！　おまえらいったいなんなんだよ。おかしいよ。絶対。
　チンタが「アムロ、いきま〜す」と言いながら、いきなり穴の中に頭を突っ込んで行きました。アホゥ！　誰がアムロじゃ！　行くなチンタ、行くんじゃねぇ！　それに続いてＭ君まで中に入っていきました。
「中は広いなあ。これはひみつの隠れ家に違いない。誰もいなかったらオレたちの基地にしよう。」ユウタがのんきな事言っています。中は一体どうなっているんだぁ？広いってどういうことだよ？　ようし、こうなったらどっちみち行くしかあるまい。行くぞ行くぞ、今行くぞぅー…。というわけで、僕もとうとうみんなのいる世界に来てしまいました。

　中は天井がすごく低い上に地面は土。ひざを使ってでないと前進できない有様で、しかも非常に広い世界がアパートの敷地面積いっぱいに広がっており、従って外の光が全く届かない、深海一万メーターくらいの未知の世界。それでも懐中電灯を持ったユウタが先頭になり、その後をＭ君が続き、ペンライトを持ったチンタ、そして僕。ひざを使った前進はとても痛かったことを覚えています。その時ユウタが大きな物体を発見しました。
　よく見るとそれは、このアパートを支えている大黒柱でした。大黒柱は巨大な一本の木でできていました。しかし辺りを照らしてみると、このような大黒柱があと数本見えました。
「あの柱のところまで行ってみよう。」
　ユウタの言葉に僕たちは、いや、特に僕はイヤイヤ従いました。なんかイヤぁな予感がヒシヒシとしていました。そして、悲しい事にその予感は的中してしまうのです。

　その柱にたどり着いたとき、柱の上のほうで何かが動くのを見ました。柱の上のほうといっても、それはすなわち僕たちのひざをついた姿勢の、頭の付近に相当します。僕はまだ幸せでした。なぜならば、この匍匐前進チームの一番後ろを付いて行っていたから。最悪だったのは、そう、ユウタです。
　僕ははっきりと見ました。ユウタの頭の向こう側の柱の上に一塊になってうごめく影を。それは本当に、一塊のカタマリでした。ユウタはその物体を自ら確認しました。そう、手にもった懐中電灯で。その光に照らし出された真っ黒くうごめくカタマリ。何ゴキブリかは知りません。でも、そいつらは、間違いなくゴキブリだったのです。
　僕は、ゴキブリの上にゴキブリが重なっていて、さらにまたその上をゴキブリが這いまわっている光景を生まれて初めて見ました。もう、あんなものすごいゴキブリたちの光景を目の当たりにする事は、二度とないだろうと思います。また、僕は生まれて初めて見ました。ゴキブリが飛ぶところを。そして聞きました。その羽音を。
　ああ、その直後のユウタの姿を、僕は一生忘れない。ユウタの顔面の上を真っ黒いモノが二つ動いていました。更に、襟足のところから、多分中に入ったのを僕は見たんだと思います。ユウタが今まで聞いた事もないような悲鳴を上げていました。ユウタの持つ懐中電灯は、もはやあらぬ方向を照らしていて、それ故に、光の届かない恐ろしく狭いその場所に、絶望的な恐怖を感じました。チンタが僕を追い越していくのがわかりました。一番に外に出たのはチンタでした。
　つづいて僕。それから、Ｍ君。ああ、ユウタがまだ出てきません。でも、外の世界の明るさに救われたと思いました。傍らのチンタを見ると、その袖口からポトリと黒いゴキブリが落ちてきました。それ故にチンタは慌てていたんだと納得しました。僕は見たことがありませんでした。これほどまで成長し、まるまると大きくなったゴキブリを。
　僕もみんなも、恥も外聞もなくヒーヒー言っていました。夕方６時を回ったところ。それでも日は高く暑い日でした。

　と、そこにＭ君のお父さんが帰ってきたのです。お父さんはＭ君が僕たちに混ざってヒーヒー泣いているのを、とてもいぶかしみましたが、僕たちに何かを言いかけて彼は固まってしまいました。それは人間の魂を揺さぶるような猛烈な悲鳴を耳にしたのと、その悲鳴の主が例の穴から這い出てくるところを目の当たりにしたから。
　そう、それは体中ゴキブリだらけでワーワー泣きじゃくっているユウタの変わり果てた姿だったのです。あまりにもかわいそうな姿でした。でも僕はそれ以上にゴキブリが恐ろしくて、ユウタに近寄る事さえできませんでした。
　結局、ユウタを助けたのは、Ｍ君のお父さんでした。僕たちはほとんど何もできませんでした。
　僕たちはお別れの言葉もそこそこに、すっとんで家に帰りました。

　僕には最後の悲劇が待ち受けていました。命からがら家に帰り着き、もう一目散にお風呂場に直行です。脱衣所で服を脱いでいて、悲劇は起こりました。そう、もう想像つきますね。自分でも気づかない間に、ゴキブリをおうちに持って帰っていたのです。それも、ズボンのポケットに入れて。
　突然、左のポケットから二匹、右のポケットから一匹のゴキブリが転がり落ちてきたのです。絶叫モノでした。家族もびっくりしていました。それからしばらくの間、我が家ではそのゴキブリの話題で持ちきりでした。だれも、あんなに大きなゴキブリを見たことはなかったからです。三匹とも家族総出で捕獲したのですが、本当に大きなゴキブリでした。大きさを測っておけばよかった。でも目測で6cmはあったよね、と家族のみんなも、そのあまりの大きさに興奮と嫌悪の入り混じった表情を交し合っていました。　
　
　僕のお話は以上で終わりです。どうしてあんなところにあんなに大量のゴキブリがいたのか、いや、僕たちの見たのは間違いなくゴキブリの巣だったんだと思います。いま、あのアパートがどうなっているのかわかりませんが、Ｍ君一家はしばらくして別のアパートに引っ越してしまいました。ああ、それにしても、思い出す度に身の毛がよだちます。
　Ｍ君が聞いたあのカリカリと言う音は、間違いなくあの屋敷に生息していたゴキブリが夜毎徘徊していた音に間違い有りません。Ｍ君は引越しするまでのしばらくの間、夜毎にあの恐怖の音を聞きながら、布団の中で震えていたそうです。
　TANGOさん。こんな目にあえば誰だって、トラウマにかかると思います。でも、僕はまだ症状が軽いほうです。たとえゴキブリが現れても、なんとか自分で退治できますから。このお話で本当にかわいそうなのは、そう、ユウタです。
　めったに会う機会は減ってしまいましたが、彼とは今でも交流があります。でも、彼はあの一件以来、極度のゴキブリ恐怖症になってしまいました。ゴキブリが現れても、彼は成す術なく硬直してしまいます。無理もありません。
　忘れたくても、もう忘れられない恐ろしい体験でした。

●TANGO総統のお返事
　すばらしい…。とびっきりの恐怖体験ですね。読んでいて失神寸前になりました。よっぽど食べ物が豊富にあったんでしょうね。今そのアパートがどうなっているのか不安です。もし解体されていた場合、解体業者も驚いたでしょうね。まだ残っているとしたら…バルサン放り込んでみたい衝動にかられます。