ハワイのBPSで制作されていたが、中止されてしまった幻のソフト。
BLACK ONYXのキャラクターがウツロの町を出て、外の世界を冒険するという設定だった。雑誌などで公表された開発中の物は、横スクロールタイプで、グラフィックも非常に美しい。
キャラクターのグラフィックが日本向けじゃなかったので、途中で一から作り直しになったらしいということである。遅れたのはそのせいとしても、中止になった原因は不明である。
ハワイのBPSの人達は、大学時代の友人が集まったような感じだったので、単純にケンカしちゃったのか、それともゲームシステムが複雑になりすぎてまとまりがつかなくなったのか？少なくともFDがないとそうとうつらいスケールの作品だったと思うので、そのあたりのこともあるのかもしれない。
10年以上たってからも、時々BPSにはMOON STONEの問い合わせがあったそうである（笑）
昔々、あるところにゴッドストーンという魔法の宝石があった。
神様の子孫であるエンシャント（Ancients）一族はそれを持つことにより巨大な力を得て、世界と人間、エルフ、ドワーフなどの召使い、奴隷種族を作り上げた。
それらの中でも代表的なのがシルン（Syln：天使的）とディム（Dim：悪魔的）の２つの種族で、エンシャントは彼らをアシスタントとして魔法の研究をしていた。つまりこの２種族だけは魔法やエンシャントの命とも言えるゴッドストーンの秘密を知っていたわけである。
エンシャントは、シルンには生、光、治療の力を、ディムには死、暗、破壊の力を与え、争えば２人とも死ぬようにしておいた。
しかし、長い年月がたち、エンシャントがせっかくの力を遊びに使いだし、堕落し始めると、シルンとディムは協力してゴッドストーンを奪い、サン（Sun）ストーンとムーン（Moon）ストーンの２つに分けてしまった。
しかしそこはやはり天使と悪魔。互いの石をめぐって、他の種族を巻き込んでの戦争になった。
そこに滅びたはずのエンシャントの生き残りのイルソス（Illusos）が現れ、ディムとムーンストーンに対して自分でも解けない強力な魔法をかけ、ムーンストーンの力を封じた。
怒ったディムはイルソスを牢に閉じ込めてしまった。それを知ったシルンは正義の下僕サンセクト（Sun Sect：太陽の信者？）であるプレイヤーに、イルソスを助け、ムーンストーンを手に入れるように命じたのだが…。
（月刊ログイン、1985年10月号に載った初めてのMOON STONEの紹介記事より要約引用）
ゲーム画面は上1/3が味方と敵の生命力などのグラフエリア、中央の1/3が横スクロールのマップエリア、下1/3がテキストエリアになる。戦闘画面では別なフォーマットに変化するようだ。
パーティは６人編成になり、クレリック（Cleric：聖職者）というクラスも追加される。その魔法は普通（？）のと攻撃用が10種類ずつで、FIRE
CRYSTALのウィザード用魔法と合わせて60種類近く使えるようになる。
エルフ、ドワーフなども登場し、仲間に加えることが出来る。
会話によって情報を集めることが出来るようになり、その情報の中には不正確だが意味深な情報が混じると言う。
以下、月刊ログイン、1986年９月号に載ったMOON STONEの中間報告記事から画面写真の転載である。勝手に転載してごめんなさい。見逃してね。
画面構成（開発中）
Rope Bridge
吊橋。
Woods
森。RPGでは一般的な地形。この木の描写はこの頃ダントツで美しい。これで８色しか使われていないんですョ。
Jungle
密林。RPGとしては珍しい地形。最近のＲＰＧではどうだか知らないけどね。
Cave
洞窟
GhostHouse
幽霊屋敷
Cemetery
墓場
Giant Inn
この世界に住む巨人族の経営する宿。
Evil Inn
悪者イメージの宿。泊まると身ぐるみはがされたりするのかな？
Friendry Inn
善人の経営する普通の宿。
前２作のデザインも良かったが、MOON STONEのデザインもさらに秀逸だ。
日の目を見なかったのが残念で仕方ない。