日本のゲームソフトハウス・有限会社ビーピーエス（BPS／Bullet Proof Softwareの意味）が1984年に発売したパソコン用のロールプレイングゲーム（RPG）である。
PC-9801シリーズ、PC-8801シリーズをはじめとして、X1シリーズ、FM-7シリーズ、PC-6001mkIIシリーズ、MSX、ファミコン、セガなど、当時の主だったパソコンや家庭用ゲーム機にはおおむね移植された。
作ったのはBPSの社長であるヘンク・Ｂ・ロジャース氏。アメリカの大学で知合い、テーブルトークRPGの仲間となった彼らは、RPGをパソコンで再現したいと思い、BPSを作り、BLACK
ONYXを作ったのだった。
疑似３Ｄ表示の迷路の中を、敵となるモンスター達を倒しながら進み、ブラックタワーの奥にある魔法の宝石・ブラックオニキス（黒いメノウ）を得ることがゲームの目的である。
アメリカの代表的なRPG・Wizardryの影響を強く受けながらも、そのシステムを大胆に簡略化し、RPG初心者でも無理なく遊べるようになっている。ゲームバランスも良くできており、キャラクターの成長に合わせて、より強いモンスター、より難解な謎を解くようにできている。 単純で明解なストーリー、簡単な操作方法、プレイヤーのキャラクターのグラフィックが装備しているアイテムとともに見られる、日本人向けに描かれたモンスターのグラフィック、頭部や服などのグラフィックを選べる、志し半ばでついえたが、ゲームのシリーズ化など、当時としてはいろいろ斬新な手法が取り入れられていた。 見た目も内容も決して派手ではなかったが、かえってそのシンプルさが大人っぽく感じられた。必要最低限の情報だけ与えられたプレイヤーは、想像力をかきたてられ、単純な迷路のグラフィックの中に自分自身の世界を思い描いていた。
そうした要素がパソコンゲーマー達の間で受け、当時のゲームソフト人気BEST10の１位に輝き、その後も長期に渡り上位を維持し、雑誌LOGiNのソフトウェア大賞も受賞した。日本ではまだマイナーな存在だった、RPGと言うジャンルを花開かせた、その功績は大きい。
オリジナル版発売後15年たった今でも、BLACK ONYXのリバイバルに寄せる期待の声は大きい。同社は今ではテトリスとKai's
Power Toolsの会社の印象が強いが、Webサイトを見る限り、まだゲーム事業からは撤退するつもりはないようだ。BLACK
ONYXも、パソコン以外ではリバイバル予定があるのだが、やはりMacとWindows上で、できる限り過去のあのままでリバイバルして欲しいと思う。プログラミング自体はそんなに難しいとは思えないのだが。
1997年頃よりGameBoyColorで発売予定になっていたのが、2001年にようやくタイトーから発売された。パソコン版ほとんどそのままのバージョンと、アレンジされたバージョンの２種類を収録している。
BPSは2001年２月に日本の事務所を引き上げた。今後アメリカでのみ販売するのか、日本版も作成するのかは定かでない。